小島学舎4回目 生命現象をみるⅡ
平成5年3月の春、花粉の猛威が収まらず、鼻炎や喉の痛み、目のかゆみで苦しんでおられる方が非常に多いように思います。
この時期の治療は「花粉症を治める治療」が不可欠で、今も5割を超える割合で施術している状況が続いています。
東洋医学では病の原因を内因と外因の二つに分けて考えます。
一般的に花粉症の原因とされている花粉は「外因」に相当し、風邪の場合のウイルスのようなものになります。
一方、内因は七情という「人の感情のありよう」で、養生訓では第五巻の「五官」の中に記載があります。
その冒頭には、「心は人身の主君也」とあり、文中には、「心は身の主なれば、安楽ならしめて苦しむべからず」とあります。
「心身一如」とありますが、心と身体の関係が健康管理にとても大切である所以です。
花粉症は花粉が関係していることは間違いないのですが、内因や体質面も考慮して治療することで、症状が緩和したり、花粉の影響を少なくしたりすることができます。
この度で4回目を迎える小島学舎では、「病と健康」を考えるために「生命力」に焦点をあて、内因である「心」の働きを探求します。
心の科学とも呼ばれる「仏教」には「四苦八苦」の教えがあり、「病」は苦であるとあります。
苦とは、文字通り「苦しい」ことですが、「思い通りにならないこと」による精神的苦痛という意味が重要です。
病には精神的苦痛が伴います。
急性の病気でも、慢性の病気でも、健康な状態へと戻ることができるか、不安な気持ちになります。
病の方だけを見ると、どうしても固定的な印象があるかと思いますが、実は動的なものであり、治療や養生によって改善へと導くことが可能です。
そのためには、「生命現象」を理解する必要があります。
東洋医学には、「正気と邪気」という独自の考え方があり、そのバランスを調べる診断法と調える理論が治療法として確立しています。
生命力の方から見ることで、病と健康の考え方に新しい何かを見つけて欲しいと思います。
小島学舎4回目、奈良の「POWER OF FOOD」にて、3月19日、開催です。
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