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小島 秀輝

小さな約束


アスリートには怪我がつきもの。 不慮の事故のように、突然、関節や筋肉を痛めてしまうことがあります。 一旦、負傷すると、しばらく練習ができなくなります。 傷を癒すためには休息が必要となるので、安静にすることがとても大切です。 怪我の程度や、個人の回復力によって、回復期間は様々であり、再発予防のためにも慎重に練習再開の時期を決めることになります。 大会や試合までに十分な時間がある時は良いのですが、それほど余裕がない場合、傷を残しながら練習をすることになります。

怪我の完治を待たずにする練習は、基本的におすすめできるものではありません。

常に限界に挑戦しているアスリートにとって、傷を抱えながらパフォーマンスを上げることは不可能だからです。 それでも練習を再開する理由は、休息を取れば取るほど、パフォーマンスが徐々に低下してしまい、競技への復帰に多くの時間が必要となるからです。 そこで重要になるのが、傷を治すことを最優先としつつ、培った体力や技術をできるだけ低下させないようにしながら、スムーズに本来の練習ができる身体へと導くことです。

安静後のリハビリメニューは、怪我の部位に負担にならない運動から行います。

練習後の怪我の状態を確認、さらに翌日のコンディションを確認して、練習の強度と内容を上げていくことになります。

アスリートは傷の状態が少し良くなると、どうしても早く、練習の強度を上げたくなります。

復帰を急ぐあまり、慎重な練習内容に満足できなくなるからです。

真剣にスポーツに打ち込んだ方なら、スポーツ人生において、怪我からの復帰が思い通りにいかず、繰り返して悩んだ経験をお持ちではないでしょうか。


怪我のことや、復帰までの治療やリハビリに関することは、経験しないとわからないことがたくさんあります。

怪我の場所や種類によっても、治療や回復過程が異なります。

そのため、過去の怪我の経験が活かせないことも珍しくありません。

このことも、怪我からの復帰を難しくしている点です。


痛みが軽くなったことで、練習の負荷を上げた途端、痛みが増悪することはよくあります。

私も学生時代に太腿の肉離れを生じ、リハビリの強度の上げ方を間違ったため、復帰までにかなりの時間がかかった苦い経験があります。

今から思えば、中途半端な練習をせずに、初期段階で安静にすべきだったと反省しています。

その時に味わった悔しい想いをこれからのアスリートには繰り返してほしくありません。


この後のブログでは、実際のアスリートの治療例を紹介いたします。

「小さな約束 フェアリー篇」へつづく

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