四百四病 壱 東洋医学の治療「肩こり」
「肩こり」の治療方法をご存じでしょうか?
和鍼治療院の特徴、それは東洋医学を用いて治療するところ。
東洋医学がどのような医学なのか、それを用いて行う鍼灸についてご紹介します。
私が心がけていることは、人が本来持っている「自然治癒力」に働きかけ、健康を阻害している邪気を取り除き、疲弊している身体の機能を回復する元気を増強することです。
これは東洋医学の考え方であり、現代医療においては稀有なものとなっています。
その影響からでしょうか、来院される方は、患部に鍼灸を施すものと思われています。
例えば「肩こり」の場合、首や肩の痛みがあるので、その個所を指で押さえて詳しく教えてくださり、「ここに鍼をしてほしい」と言わんばかりです。
しかし私は、肩の部位に施術するから「肩こり」が改善するとは考えていません。
実際、和鍼治療院では肩の部位に鍼灸をすることはほとんどありません。
肩の部位に施術することなく、どうやって治療するのか、初めて治療を受けた方はどなたも不思議に思われます。
肩こりがなぜ生じるのか、その仕組みが理解できれば、その方法が理解できます。
まず、肩こりとはどのような状態でしょうか。
肩こりは、首や肩の関節周囲の筋肉が硬くなっている状態です。
そのため、施術によって直接的に筋肉を緩めても治療効果はあります。
しかし、肩こりの発症する原因はどこにあるのでしょう。
実は、その理由が首や肩の周囲の筋肉にあるとは限らないのです。
私の治療経験からわかったことは、「肩こりの原因は姿勢の悪さにあることが多く、その治療法として骨盤や背骨の歪みを整えることが大切である」ということでした。
事実、骨盤や背骨を矯正することで、首や肩の周囲の筋肉の状態が改善します。
身体のテッペンにある人の頭部は、ボーリングの玉ほどの重さがあります。
上級者が使う15ポンドの玉で約6.8㎏、起立した状態であれば、その負担が背骨全体にかかることになります。
頭を支える骨盤や背骨が歪んでいると、その歪がどれほど首や肩に影響するのか、想像できるでしょうか。
東洋医学の診断技術は、骨盤や背骨の歪みの原因を調べるのにとても優れています。
診断に基づいて治療するので、その効果は施術後すぐに現れます。
つまり、肩こりの原因を治療内容から明確に診断できるということです。
肩こりが楽になるだけでなく、病の原因を理解していただき、体調管理や体質改善のために養生として活かしていただくこともできます。
マッサージのように患部の筋肉を直接もみほぐすことや、シップのような消炎鎮痛剤を用いる化学療法とも、その治療内容はまったく異なるものなのです。
現代医学と東洋医学の違いを次のブログで考えてみます。
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