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小島 秀輝

五臓六腑を言えますか? 続編


さらに難しくなるのが、「六腑」です。

最低でも3つは答えて欲しいところですが…。



小腸


大腸


腑の代表的とも言えるのが、胃、小腸、大腸の3つです。


口から肛門までにある消化器官の代表格ですから、すぐに思いつかなかった人は、しっかりと覚えて欲しいと思います。


さて、残りは3つとなりますが、いくつ答えることができますか。

あと2つを正解できたら、それだけでも及第点です。


答えは、膵臓 ではありません。


胆、


膀胱、この2つとなります。


五臓六腑のどちらかひとつにでも「膵臓」と答えた方、残念ですが、五臓六腑の中には「膵臓」は入らないことになります。

西洋医学ではとても重要な役割をもつ膵臓ですが、東洋医学にはその名前は存在しません。

膵臓と同じ役割とは言えませんが、類似している点を持つ器官があります。

それが五臓のひとつである「脾」です。

脾という器官の考え方は、西洋医学とかなり違うものになります。


それでは最後のひとつはどの器官のことでしょう。


これはさすがに難しい。


最後の器官の名前は、「三焦」となります。


六腑の答えは、胃、小腸、大腸、胆、膀胱、三焦が正解です。


全問正解できた人はいますか。

もしも正解できたとしたら、東洋医学を熟知している人なのでしょう。


三焦という器官を聞いたことがないという人、そんな器官はないと確信する人、それは決して間違いではありません。

これを答えることが出来る人は、東洋医学を学んだ人だけなんです。

実は、西洋医学を学んだ医師でも答えることができません。

なぜなら、解剖や生理学の教科書を隈なく探しても、三焦という器官は無いからです。

三焦という器官は、東洋医学特有のもので、東洋思想と医学的叡智の両方を兼ね備えた腑を意味しているのです。

三焦は「名ありて、形なし」とも呼ばれており、東洋医学においてもその形状とありかは定かではありません。

東洋医学の臓腑の位置図けは、その形状に重点があるのではありません。

身体を切り開いて、体内の臓腑を取り出すことや、切り除くことをすることで進化・発展したのではなく、臓腑の役割と働きに重点を置き、その機能を高めることに治療の本質があると確信していたからなのです。

「名ありて、形なし」と呼ぶのも、臓腑の機能を重視する東洋医学の考え方を象徴する表現でもあります。

それを代表する臓腑が、三焦という器官なのです。


もしも東洋医学を深く学びたいと思う方がいるのでしたら、「三焦」の意味を理解することが大切です。

「三焦」がどのような働きをするのか、少し興味を持っていただけたでしょうか。


三焦はとても重要な器官ですので、またの機会に詳しく書いてみようと思います。

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