寒の内
一年で最も寒い時期を「寒」と言います。
新暦では、1月5日に寒の入りとなり、立春になる寒の明けまでの約一か月間が寒の内です。
寒の内は小寒と大寒の二つの節気からなり、「小寒の氷、大寒に解く」という言葉があります。
小寒は、寒さが極まるやや手前の時期。
バケツや雨上がりの水溜りに氷が張るようになりますが、その氷が大寒に解けるほど、小寒の方が寒いと感じることがあります。
冷え切った夕方に空を見上げると、南西の空には金星が一段と眩しく光って見えます。
空気がとても澄みきっているので、夜半には星々が冴え冴えと輝いています。
1月7日は五節句の一つ、人日(じんじつ)です。
この日は一年の無病息災を願って、七草粥をいただきます。
七草は、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな(蕪)、すずしろ(大根)。
古来中国での習慣が平安時代に伝わり、江戸時代に一般に定着しました。
年明けのこの時期は、お正月のお正月の祝膳や祝酒で胃腸の働きが弱りがちとなります。
その影響から寝違いを起こしやすくなり、首を痛めたり、腰を痛めたりすることがあります。
一月中旬の首の痛みや腰痛の原因は、消化器が関係していることが本当に多いので、もしも症状が出たときは和鍼治療院での治療をおすすめしています。
七草粥を食して、胃を休めてあげると予防になると思います。
小寒・大寒の寒の内の時期は、蕪、春菊、小松菜、水菜など、旬野菜が豊富です。
春菊は、カロテンが豊富で、肌の健康や風邪予防に効果的です。
蕪は、七草のひとつ、「すずな」と古名があり、葉にはカロテンやカルシウム、鉄分が豊富、丸い根にはビタミンCとカリウムがたくさん含まれています。
小松菜は寒さに強く、霜を受けるほどに甘みが増し、葉が柔らかくなる不思議な生命力の野菜です。
鉄分やカルシウム、ビタミンAとCなどが豊富です。
水菜はβカロテン、ビタミンB、C、Eが豊富。
日照時間が短い時期ですが、栄養素がしっかりとれる旬の野菜はとてもありがたいです。
2月になると大寒の末候、「鶏初めて乳す」となります。
かつて鶏の産卵期は、春から夏にかけてでしたので、鶏が卵を産み始める時期のこと。
いよいよ節分なります。
昔は、季節の変わり目にあたる立春、立夏、立秋、立冬の前日すべてを節分としていました。
それが室町時代になってから、一年の節目にあたる春の節分に重きが置かれるようになります。
季節の変わり目には悪鬼が出てくるといわれ、豆が「魔滅」の音に通じるとから「鬼は外、福は内」の掛け声で、豆まきをするならわしが始まったと言われています。
大寒の末候は、関西の平地でも雪が降ることが多いように思います。
冬至を経て、一陽来復となりましたが、まだまだ寒さは増していきます。
旬の野菜の恩恵に受かりながら、風邪に負けない身体を維持しましょう。
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