「薬育」について
薬との正しい付き合い方を学ぶことを「薬育」と呼びます。
日本では聞き慣れない言葉ですが、フランスでは小学生の頃から薬について学ぶそうです。
実は、平成24年度から日本でも、全国の中学校で「くすり教育」がはじまりました。
http://www.kyoiku-press.jp/tesio/archives/1
フランスに比べると、教育としての導入や学習のスタートが遅い点が気になりますが、薬についての関心が高まることは非常に良いことだと思います。
欧米の薬育では、「薬がどうして効くのか」ということを作用機序を学びます。
作用機序とは、口から服用した薬が消化管で吸収され、血液循環によって全身に運ばれて、その一部は腎臓から尿として排出されることです。
消化管で吸収された薬は必ず肝臓を通ります。
肝臓は解毒する作用があるので、大量の薬の服用は、胃や腸だけでなく、肝臓にも負担をかけます。
薬の正しい選び方を学び、薬の乱用をしないように諭すことが目的です。
予防接種や市販薬について、皆さんはどのような知識をお持ちでしょうか?
カナダで使われている感染症のパンフレットには、インフルエンザの項目があり、「インフルエンザは自然に治る病気です」と書いてあるそうです。
欧米の人々は、若年層から薬害を認識し、薬に対して非常に敏感です。
そのため、日本人に比べて薬の使用量が少なく、仕様期間も短いです。
医者に受信して、自ら薬を求める人はあまりいないと聞きます。
一回に服用する薬が多すぎて、そのためにお腹が膨れてしまい、食欲が無くなるなんてことはありえません。
薬育を行うことで、無駄な薬の乱用を防ぐことができるうえに、副作用で苦しむことや医源病で病を悪化させることを減らせることが期待できます。
日本でも薬の乱用が減ることを望みます。