鬼の霍乱 陸 マラリア「源氏物語」では、若紫の巻の文頭に「わらわやみにわづらひ給ひて、よろづに、まじない、加持など、まゐらせ給へど、しるしなくて、あまたたび起こり給へば」とあります。 「わらわやみ」とは「瘧」のことで、当時は生薬による治療だけでなく、加持祈祷で治療していたことも注目です。...
鬼の霍乱 伍 瘧疾(ぎゃくしつ)藤原道長が33歳のとき、ひどい腰痛を患いました。 よほど病状が悪かったのか、官職を辞す覚悟をしたほどだったようです。 それでも34歳のとき、長女彰子(しょうし)が入内したことで、家門栄達に火が付き、権力の頂点を目指して猛進をはじめます。...