霍乱の治療 【漢方編】霍乱については、後漢時代の書、黄帝内経の中に見ることができます。 後漢は25年から220年ですから、中国ではかなり早くから霍乱の治療をしていたことになります。 後漢末期の200年頃には、張仲景の書、傷寒論が完成し、その中で「弁霍乱病脈証并治」として、さらに詳しい診断と治療方...
鬼の霍乱 玖 「霍乱」先のブログでご紹介したように、時代背景から鬼について詳しく見てみると、身体の丈夫な人というイメージというよりも、平安時代の疫病に対する当時の人々の 畏怖の念 に関係があるように思います。 医疾令の中に、「典医薬は歳ごとに、傷寒、時気(ときのけ)、瘧、痢、傷中、金創」という病...
鬼の霍乱 捌 「鬼」鬼と言えば、二つの角にヒョウ柄のパンツで有名です。 この鬼の姿も東洋医学の基本的思想である「易学」に関係があります。 二つの角、それは「牛」の角 ヒョウ柄のパンツは、「虎」の皮 どちらも十二支であることに注目です。 易学では、牛を一時、虎を二時の方角とし、合わせて「艮」と書...
鬼の霍乱 漆 oni no kakuran「鬼に金棒」ということわざがあります。 強靭な肉体を持つ鬼が鋼鉄の金棒を持つことで、より一層強くなることを意味します。 プラスとプラスの掛け合わせですから、最強ともいえる状態へと変貌します。 このように、「鬼」には、強靭や頑丈というようなイメージがあります。...
鬼の霍乱 陸 マラリア「源氏物語」では、若紫の巻の文頭に「わらわやみにわづらひ給ひて、よろづに、まじない、加持など、まゐらせ給へど、しるしなくて、あまたたび起こり給へば」とあります。 「わらわやみ」とは「瘧」のことで、当時は生薬による治療だけでなく、加持祈祷で治療していたことも注目です。...
鬼の霍乱 伍 瘧疾(ぎゃくしつ)藤原道長が33歳のとき、ひどい腰痛を患いました。 よほど病状が悪かったのか、官職を辞す覚悟をしたほどだったようです。 それでも34歳のとき、長女彰子(しょうし)が入内したことで、家門栄達に火が付き、権力の頂点を目指して猛進をはじめます。...
鬼の霍乱 肆 痢病(りびょう)晩年、糖尿病を患った藤原道長ですが、紫式部の「源氏物語」の主人公、光源氏のモデルとも言われることから、青年時代は健康な美丈夫だったと思われます。 栄華を極めた道長の生涯で患った病を見ることで、平安時代の病の特徴がうかがえます。...
鬼の霍乱 参 道長の最後道長は50代になったころからたびたび激昂するようになります。 糖尿病は、口渇、頻尿、るい痩、脱力感といった身体症状だけでなく、不機嫌、怒りっぽさ、抑うつなどの精神面の異常をおこすことが知られています。 晩年の道長の挙動には、糖尿病による躁鬱病が関係している可能性もあります。...
鬼の霍乱 弐 「糖尿病」平安時代、摂政、太政大臣を歴任して、この世の栄華を極めた藤原道長は、糖尿病で亡くなりました。 記録に残っている中では日本最古の糖尿病患者だそうです。 そのため、1994年、第十五回国際糖尿病会議が日本で開催された折、道長の肖像画を描いた記念切手が発行されました。...