治療理念
[気のバランスを調整]
私たちの身体には、約60兆の細胞があります。
それぞれの細胞は、バラバラに存在するのではなく、相互に関連しあって共存しています。
このことは全体性と呼ばれるもので、私たちが、生まれながらにしてすばらしくバランスのとれているひとつの完成品であることを意味します。
一方で、東洋医学には「気一元論」という考え方があります。
すべての存在は同根同体であり、「気」というものから成り立っているということです。
「気一元論」と「全体性」は同じ考え方といえます。
気一元論に基づくと、身体は「気が一つに集まる」ことで誕生し、その「気」が調和している状態が健康で、「気」の不調和が病気ということになります。
健康も病気も身体の状態を示すもので、どちらも絶対的なものではありません。
諸行無常の言葉通り、この世の中のものはすべて変化する存在であり、「気」も変化し続けています。
たとえ気が不調和になって病気になったとしても、いつまでも不調和であるとは限らず、一定の条件であれば、調和に戻る機会があります。
鍼灸は気の調整に非常に優れています。
鍼灸治療で、上手に気のバランスを整えることで、あらゆる病気が改善できる可能性があります。
東洋医学の治療目的は、気のバランスを整えることで健康を取り戻すことにあります。
和鍼治療院が、東洋医学による鍼灸にこだわる理由です。
[治癒システムの働きを高める]
私たちは、日常的に意識する必要もなく、ある一定の状態にバランスを保つように、自動的にコントロールされるシステムを生まれながらに有しています。
一時的にバランスが乱れても、バランスの調整をしてくれるシステムのことを「恒常性」といいます。
恒常性の役割には、身体を健康に保つこと、身体を修復すること、病原菌などから身体を守ることがあります。
この仕組みに何らかのトラブルが起こると、健康を保つことが難しくなり、病を発症することになります。
病にはさまざまな症状があり、それぞれに特徴があるのですが、いかなる医学を用いても、最終的に病を治すのは恒常性による治癒システムなのです。
恒常性は、自律神経系、内分泌系、免疫系の3つが協調して働く必要があります。
そのため一つ一つを個別に調整するのは、とても大変なことであり、完全にコントロールすることは難しいことです。
ところが東洋医学には、「気一元論」という考え方があります。
気を調整することで、自律神経系も、内分泌系も、免疫系も、同時に調整することが可能です。
全体性という考え方と、恒常性を生まれながらに備えていることを知ってほしいと思います。
全体性という考え方は、「気一元論」という考え方と一致しています。
気のバランスを整えることは、恒常性に働きかけるのに有効な手段であります。
和鍼治療院が、東洋医学に基づいて鍼灸治療することこだわる理由です。